今年の猛暑日は9月末までで90日を数えたそうなんですが、そんな暑い日々が釣瓶落としのように冬の寒さへと転じました。例年の秋はもう少し、過ごしやすいだとか、焼き芋がおいしそうだとか、紅葉がきれいだねとか楽しむ余裕があったように思うんですが、そんな暇も感じられなかったのは私だけなのか。急変した気候によって、気をつけてはいたものの少し体調を崩してしまいました…。
やがて気温の変化も落ち着いてくると体が慣れてきて、「あー、こんなもんだったっけ」と思うようになりました。温かい装いを引っ張り出して、こたつ布団を用意して、鍋をつつく。そこにはいつもと変わらない初冬の日常があります。喉元を過ぎればなんとやらと言いますが、人は秋さえも忘れることができるのでしょうか。
なにかが急に変わって、それでもその状態に適応できるのは、生物の強さだと思います。ただ、それって失ってもいいの?ということも意外とあっさり脱落させることができるように、最近よく思います。数年前、十数年前の季節の巡りがどのようであったかを、いま簡単に思い出すことはできません。でも、今のそれとはそれなりに違っていたんだろうなあとは思います。大事ななにかを失い続けているような気分になるのは、そういうお年頃だからなのかもしれませんが。
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