ネガティブケイパビリティ(negative capability)という言葉をつい最近知ったのですが、この概念は目から鱗でした。
ネガティブケイパビリティとは不確実だったり未解決であるものを受容する能力のことです。白黒はっきりつかないことや考えてもわからないことは世の中にありふれていますが、それらに対する耐性とも言えます。例えば、飛行機はどのような仕組みで飛んでいるのかほとんどの人は知りませんが、飛行機に乗る人たちは「まあなんとかなるんだろう」と受け容れて身を任せています。
この言葉を知った瞬間「あ、これ私に大きく欠如しているやつだな」と思いました。冷や汗。どこか外国ではそれまで肩こりの概念が存在しなくて、肩こりに相当する言葉が広まった結果肩こりの症状を呈する人が生まれたという話を聞いたことがありますが、それに近いような感覚を得ました。現に私はよくよく考えることを好むたちで、たいていのことは白黒はっきりつけることを好みましたし、飛行機には乗れませんでした。
かなり前に「曖昧なことをそのままにしておく力」みたいなことを聞いたことがありましたが、ネガティブケイパビリティと通底しているように思いますね。ただ以前その言葉を聞いたときは「そうはいってもはっきりさせるための不断の努力は必要だろう」と思ったものですが。疫病とその対応というとてつもなく不確実な問題を抱えた時代を生きているからこそ、出会って受け止められた概念なのかも。
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